愛の画家シャガール

シャガールについて

シャガールといえば、人や動物が空を浮遊しているかのように描かれた絵と独特の流れるような美しい色彩が特徴の、ロシア出身のフランスの画家です。
描いた作品のモチーフの多くは妻ベラに対する愛であったり、動物やパリの街など、その当時を写すモチーフも有名ですが、実は聖書をモチーフにした宗教画やギリシア神話をモチーフにしたものも多く残されています。
シャガール自身が「愛の画家」と呼ばれていたように、愛をテーマに描いた作品も多く、その愛は夫から妻への愛だけではなく、子どもが世界に対して始めに抱くような、信頼に満ちた好奇心のような愛であったり、市井の人々が持つ日常に対する愛着であったり、多くの作品にシャガールが理解した愛が描き出されています。
彼の作品がメルヘンチックと形容されることもよくありますが、人が浮遊していたり、逆さまに描かれていたりという描き方は、メルヘンというよりは、愛に裏付けられた人々の自由さを描いているようにも感じます。
それは恋をした人々が持つ、空を飛ぶような何事も手につかないような浮ついた気持ちというものとはまた少し違った、聖書に書かれているような、人と人との関わりの中から得られる愛や自由を描いているようで、「愛の画家」と呼ばれたのは、そのような愛に対する鋭い洞察からではないかと考えられます。

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